THE Iron職人~身頃編~
2009/06/05
Fri. 20:46

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昨日は衿、カフスまでお伝えしました。今日は仕上がりまでのアイロンの掛け方を。

カフスはプレスが掛っておりますので、身頃は袖からと言う事になります。以前ご紹介したコンバーチブルカフスの場合、釦専用カフスと違い、たたんだ時に釦を留めずにカフスを表に出します。その為、脇の縫い目は中に織り込むようにして袖にアイロンを掛けます。

カフスを押さえて袖のタック側からアイロンを掛けていきます。綺麗に掛りました。勿論噴霧器にて霧を吹きかけます。

両袖掛りましたので次はヨークです。アイロンの形状を利用して、衿が付いている部分の丸みを綺麗に掛け、そのままヨーク全体を掛けて行きます。アイロンの形状を利用するのは家庭用アイロンでのアイロンがけにも有効です。

次は後身頃。背中のタック(プリーツ)は裾まで折り付けます。裾でタックと同じ分をつまんで引っ張れば綺麗に裾までプリーツが折られます。そのまま裏から脇の縫い目、袖つけの縫い目、裾の形状と霧をかけてアイロンをかけます。

背筋がピ~ンとしそうなくらい真っ直ぐに掛っています。

後が綺麗になった所で身頃の主役、前身ごろです。弊社では釦を掛けてからアイロンを掛けるのではなく、釦をアイロンの熱や重みで傷つけないように上前下前別々に掛け釦を留めます。アイロン職人さんの談です。「最近は厚みのある釦や、貝釦でも高級な部類の物が多くなり前身ごろの仕上げには特に気を使う」と言う事です。

ボタンのとめ方は、アイロンを掛けた所にしわを付けない様にする為、穴の下に釦を斜めにセットし、指の腹で釦の端を押し上げるようにして留めます。このやり方で格段に早くボタンが留まり、なお且つしわになりません。これはプロのテクニックです。

表からも縫い目部分に気をつけてかけていきます。

フィニッシュです。裏返し、肩の部分にアイロンを押し当てます。ここを掛けてたたむ事によって、シャツがシャキっと仕上がります。

台紙を取り付け、その台紙に沿って折りたたみます。

リサイクルプラのクリップで留めていきます。最近はエコを考えるとなるべくは使用しない方へ行きたいのですが、どうしてもここは留めないとシャツが締まらないので...

袖に刺繍がある場合は外に見えるように出して完成です。衿カフスのプレス時間を除けば、一枚辺りの所要時間は3分ほどです。アイロン掛けに悩まされている方には是非お傍にいて欲しいアイロン職人さんの紹介でした。
本日から金沢は「百万石祭り」に突入しております。明日6時からの踊り流しにはスタッフの一人も踊りに参加するそうなので見に行こうかと思います。
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THE Iron 職人Part-1
2009/06/04
Thu. 21:22

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前エントリーで紹介しました村上春樹の「1Q84」売れてますね~2週間前のマスクと同様、店頭から消えているらしいです。私同様、日本人ってある意味凄い。
しかし、本を読む時間がなかなか取れないですねぇ。そういう年代なのでしょうか?まだ序章って所ですが、面白いです。
オーダーシャツはサイズ、デザイン、素材が一枚一枚全く違うので、手作業のアイロンにて丁寧に仕上げられます。本来工場内ではこの仕上げ作業はしないのですが、今日はアイロン職人さんに特別に一枚仕上げてもらいましたので作業順に画像と共にご紹介したいと思います。

穴釦が付けられ、各部分に取り残された糸が無いかどうかチェックしたシャツに、衿とカフスに高圧プレスを施します。

トップヒューズ(接着)芯では全くしわ知らずで、フラシ(非接着)芯でも自然に綺麗な仕上がりになります。さらに10ポンドアイロン180~200度にてプレスします。

衿に丸みを付けるプレス機です。160度くらいで衿の背の部分の丸みを綺麗に出します。オーダーシャツにつき、この時一枚一枚伝票にて衿腰サイズを確認します。中に専用の仕上げ用衿芯を挟みプレスします。

このようにナチュラルな綺麗な丸みに仕上がります。

さらに仕上げ用10ポンドアイロンで念入に型押し。

そのままアイロンを押し当てながらプレス機では掛けられない衿の前方部の丸みをつけて衿カフスのプレス、アイロンは終了です。

次は袖身頃の作業ですが、あまりにも画像が多いのでパート2として次回のエントリーにて。
弊社オーダーシャツは衿→カフス→袖→ヨーク→後身頃→前身ごろ→たたむ この順序で仕上げていきます。家庭でのアイロンがけでもカフス袖から掛けるのがベストだと思います。衿や前身ごろが最終的には重要なポイントになりますから、なるべく最終工程に持っていくのが良い掛け方ですね。
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